弊社はフォント制作を行っております。
デザイナーや創作書家のオリジナルフォント、著名人などの書を元にフォントを作成するなど様々な事に挑戦してきました。
ここではフォント制作の共同作業を行うサービス「フォントウィザード」によって制作された「味明書体」をご紹介します。
「味明」には10種の仮名を制作。
筆記体に近いものから、活字の復刻やモダンな仮名までを制作、これだけのバリエーションが
あればあらゆる用途に使えると思われる。
欧文制作は成澤正信が担当。縦線が太く、横線の細い「味明」の特徴に良く合うように
ベースラインから小文字の上までの幅を高めに設定したボドニ系のアルファベットで、
大文字の軸は漢字よりもわずかに太くデザインしている。
「味明」のエレメントをさらにシャープにしたのが「味明モダン (Modern)」である。
縦画の位置、太さはどちらも同じ、撥ね払いの終筆のエレメントも変わらない。
違うのは縦画の始筆終筆のエレメントの天地を縮めシャープにしたこと。横画を細く、
太さに変化のない線とし、始筆も垂直にカットしている。
これまでの見出し明朝の中でもかなりウエイトのある書体だが、柔らかさや優しさを失わず
品よく仕上げた。
出典「書体講座」より 著:味岡伸太郎
「味明」フォントの制作は「フォントウィザード」と呼んでいる弊社の制作支援サービスで行われました。
書体の基本となるエレメントと指定漢字をまず作成し(画像は一部を抜粋)それを元に漢字を展開していきます。
辺とつくりを組み合わせて行くことで、作業の効率化を図りながら制作されました。
本文用に細身の仮名となっています。
ご覧いただけるように「味明書体」は2種の漢字と10種の仮名の組み合わせにより20種の書体があります。
2種の漢字には、例示字体JIS90字形とJIS2004字形があるため総数は40書体となります。
また本文用として細身の仮名フォント10書体があり、全部で50書体収録されているのがパッケージ版となります。
これに対してダウンロード版は、例示字体2種をセットとした単品販売となります。
※ダウンロード版に本文用の細身仮名書体はありません。
※ダウンロード版に50書体セットの販売はありません。
「味明書体」の発売を記念して、大阪と東京でギャラリー展が行われました。
YouTubeでその時オープン記念に行われたギャラリートークを、短縮版ではございますがご覧いただけます。
2018年3月26日 ペーパーポイス大阪にて_味岡 伸太郎 白井 敬尚 祖父江 慎 櫻井 拓(司会)
「味明書体」には特別な思いを抱いてきた。
手作りの活字見本帳を元に、いつかは自分のため明朝体を作ろうとの考えに至り制作を開始。
新しい初号明朝体「味明」とは、『縦画は太くまっすぐ垂直に、横線は細く水平で、
エレメントはしっかりと強く文字の勢いと強さを重視した』そんな文字である。
近年省略されることが増えている明朝体の筆押さえは、「味明」の形を整える必要不可欠な
エレメントとして多くの文字に採用している。